日本には八士業と言われるものがあります。その代表的なものが、公認会計士、税理士や行政書士などであり、企業経営においては欠かすことができない存在です。
そんな八士業の中に、宅建士も含まれている事を多くの人は知りません。しかし宅建士は不動産取引において必要不可欠な存在なのです。そのため宅建士は、不動産業界で働くために必要な資格です。
宅建の難易度
宅建試験は、国家資格の中では比較的合格しやすいと言われていますが、試験範囲が広く専門用語が多いため、難易度はそこまで易しくはありません。
合格率は例年15%〜20%であり、50問中約35点前後、70%以上の正答率が必要です。合格点は年によって変わりますが、令和4年度(2022年度)までの5年間は34〜38点でした。
また、宅建試験には法律や税務などの知識が必要であり専門用語も多いため、未経験者にとっては難しいとされています。宅建合格者の職業構成を見てみると、不動産業界勤務の人が3割前後、金融や建設業が2割となっています。やはり不動産に関する知識がある人や業務経験者である人の合格率の高さが目立ちます。
不動産業界の実務経験がある方にとっては理解しやすく合格にやや有利となりますが、業界未経験の方ならば勉強時間は最低でも300時間以上はかかるでしょう。
宅建と他の資格との勉強時間・合格率の比較
以下の表は、主な国家資格試験の勉強時間と合格率を示しています。
資格名 | 勉強時間 | 合格率 |
---|---|---|
公認会計士 | 3,500時間 | 10% |
司法書士 | 3,000時間 | 3%~5% |
中小企業診断士 | 1,000時間 | 4% |
社会保険労務士 | 800時間~1,000時間 | 5%~7% |
行政書士 | 600時間~700時間 | 10%~12% |
宅建(宅地建物取引士) | 300時間~600時間 | 15%~20% |
この表から比べると、他の国家資格試験の中では勉強時間は少なく、合格率も高めであることがわかります。
とはいえ社会人に人気があり、それなりの難易度の簿記2級の勉強時間300時間~400時間と比べると、やや宅建の方が勉強時間がかかることが多いです。
従って宅建試験は決して簡単な試験ではなく、しっかりと勉強・準備をしておかないと合格することはできないでしょう。
誰でも受験できるために独学で受験する人もいますが、出来ればスクールもしくは通信教育や通信講座でしっかり勉強し受験対策を講じた方が効率は良いでしょう。忙しくて学習時間が十分に取れそうにない方であれば、宅建の学校・予備校を利用するのがおすすめです。