中小企業診断士の業務には多くのニーズがあり、業務の幅も多岐に渡っています。
しかし、将来はどうでしょう?中小企業診断士のニーズは将来も高まるのか、それとも縮小するのか。また、AIが本格的に導入される時代が来た場合はどうなのか。
ここでは中小企業診断士の将来性について解説していきます。
中小企業診断士の将来性
まず、中小企業は日本経済の大きな部分を占めており、それらの企業が経済的に健全であり続けることは社会全体の安定にとって重要です。しかし、経営資源が限られた中小企業は、経営の専門知識を持ったプロフェッショナルの支援を必要としています。
そのため、中小企業診断士の役割は非常に重要であり、その需要は今後も続くと考えられます。
また、社会的な観点から見ても、地域の中小企業や産業を支援することで地域経済の活性化に寄与するなど、中小企業診断士の役割はますます重要性を増しています。地方創生や産業振興などの政策においても、中小企業診断士のスキルや知識は大いに活かされます。
さらに、中小企業診断士の資格は、その専門的な知識とスキルが評価されるため、キャリアアップの道具としても有用です。コンサルティング業界や金融業界などでの就職や昇進、または独立開業といったキャリアパスの選択肢が広がります。
したがって、中小企業診断士の資格や仕事は、今後もその需要と価値を保ち続けると考えられます。
中小企業診断士のAI代替性
人工知能(AI)は急速に発展しており、私たちの生活と仕事に大きな影響を与えています。AIは単純な作業から複雑な作業まで、幅広いタスクを実行することを学習しており、今後もその能力は向上していくと予想されています。
このAIの進歩により、将来的にAIに代替される仕事が増えると懸念されています。実際、世界経済フォーラムのレポートによると、世界の全雇用のうち約50%が、AIやその他のテクノロジーの進歩により、今後20年間で代替される可能性があると予測されています。
難関とされる士業の多くも例外ではなく、2017年の日経新聞によると、多くの士業の業務が今後AIに取って代わられる可能性が高いとの研究結果が出されています。下表に士業のAI代替可能性を示しています。
資格名 | AIによる代替可能性 |
---|---|
弁護士 | 1.4% |
司法書士 | 78.0% |
弁理士 | 92.1% |
行政書士 | 93.1% |
公認会計士 | 85.9% |
税理士 | 92.5% |
社会保険労務士 | 79.7% |
中小企業診断士 | 0.2% |
このように、難関とされる士業の業務がAIに取って代わられる可能性が高い中、中小企業診断士の代替可能性は極めて低い水準となっています。
将来AI時代が本格的に到来しても、中小企業診断士の業務は人にしかやれない領域が大きいためAIに取って代わられにくい仕事だといえるでしょう。
そういった意味では中小企業診断士の仕事には将来性があるといえます。