簿記論
税理士試験における簿記論は、企業の会計処理や財務報告に関する基本的な知識と技術を試す科目で、税理士試験において必須科目です。税理士試験は国税庁の公式サイトに税理士試験特設ページがあります。
税理士としてクライアントの税務コンプライアンスを支援するために、会計処理や財務報告の仕組みを理解し、適切な会計処理を行う能力が求められます。
財務諸表の基となる企業の営業活動をどのように会計帳簿に記録し、計算するかを学習する科目です。試験は制限時間2時間で3問出題されます。
簿記論の試験範囲は広く、次のようなトピックが含まれます。
- 会計の基本概念
会計の目的、会計基準、会計要素(資産、負債、純資産、収益、費用)、会計方針、会計処理の基本原則など。 - 記帳・帳簿管理
仕訳、勘定科目、試算表、損益計算書、貸借対照表などの作成方法と、これらに関連する会計上の処理。 - 固定資産および減価償却
固定資産の取得・評価・減価償却方法(直線法、定率法等)。 - 在庫評価
在庫の評価方法(移動平均法、定期平均法、FIFO、LIFO等)。 - 金銭債権・金銭負債の評価
債権や債務の評価方法、貸倒引当金の計上方法など。 - 資本取引・資本構成
株式や出資金に関する会計処理、資本金の増減に関する処理、株主資本等。 - 会計上の調整・訂正
期末調整、未収・未払金の処理、繰越利益調整、誤った仕訳の訂正方法など。 - 決算・会計報告
損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書などの作成と、企業の財務状況や業績を評価するための財務分析手法。
簿記論の試験対策としては、基本的な会計概念を理解し、会計処理や財務報告の方法をマスターすることが重要です。また、過去問題を研究し、試験の傾向や出題範囲を把握することが効果的です。
さらに、具体的な対策方法として以下のようなアプローチがあります。
- 会計の基本概念の理解
会計の基本原則や概念をしっかり理解し、実際の会計処理にどのように適用されるかを学習してください。 - 記帳・帳簿管理の練習
仕訳や勘定科目、試算表などの作成方法を練習し、実際のビジネス取引に対応できるようになりましょう。 - 財務報告の作成と分析
損益計算書や貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書の作成方法を学び、企業の財務状況や業績を分析する技術を身につけてください。 - 過去問題の研究
過去の試験問題を解いて、出題傾向や自分の弱点を把握し、効果的な学習計画を立てましょう。 - 理解度の確認
定期的に学習内容を振り返り、理解度を確認し、必要に応じて再学習を行いましょう。 - グループ学習や模擬試験
他の受験生と一緒に学習したり、模擬試験を受けることで、自分の理解度や実力を客観的に評価できます。また、他の受験生と意見交換や情報共有を行うことで、新たな知識や視点を得ることができます。 - 時間管理
試験では、限られた時間内で問題を解く能力が求められます。練習段階から時間を意識して問題を解くことで、試験本番でも時間管理をうまく行うことができます。
これらの対策を行いながら、簿記論に関する知識を習得し、税理士試験に備えてください。また、簿記論以外の試験科目(所得税法、法人税法、消費税法、相続税法、住民税、固定資産税、酒税法、国税徴収法、国際税務など)についても幅広く学習し、税理士試験全体に対する総合的な理解力を高めることが重要です。
税理士試験においては、各科目の知識を習得するだけでなく、それらを総合的に理解し、実際の税務実務に適用できる能力が求められます。そのため、試験対策と並行して、税務実務に関する知識や経験を積むことも、税理士としての専門性を高める上で重要です。試験対策と実務経験を両立させることで、より効果的な試験対策が可能となります。継続的な学習と実践を通じて、税理士試験に合格し、専門家として活躍できるように努力しましょう。
簿記論の攻略法
出題は計算のみの出題傾向となっています。
時間内では終わらないようなボリュームがあり、優先して解答する箇所、後回しにする箇所の見極めが必要です。そのため、税理士の学校・予備校で勉強するのが最も効率的です。
また、財務諸表論との関連性が強いので、時間に余裕がある場合は同時に受講することで時間短縮になります。
- 第1.2問
大学教授が出題するため学問的で、個別問題の出題が多い傾向にあります。
仕訳問題、比較問題、相対問題等様々な角度からの出題が多くみられます。 - 第3問
実務家が出題するため実務的な問題が出される傾向にあります。
有価証券の期末評価、減価償却費の計算等の個別論点に関する決算整理型の総合問題が出題されています。改正に関わる出題も出題されやすい傾向にあります。
ポイント
ボリュームが多いため、正確でスピーディーな資料読取りが必須で、得点源となる箇所を優先して解く力が求められます。
そのため、個別論点をおさえたあとは、総合問題を繰り返し解き、本試験対応力を身につけることが必要です。
改正論点も含めて直前期に答練を解くことで本試験に万全の態勢で臨みましょう!