税理士試験に合格するためには多くの勉強時間が必要です。
しかし、効率的に時間を使い適切な方法で学習することができれば、勉強時間を大幅に短縮することが可能です。本記事では、戦略的な勉強法と共に必要な勉強時間について解説していきます。
税理士試験の概要

税理士試験とは?
税理士試験は高い専門知識と実務能力が求められる国家資格です。合格することで企業や個人の財務に関する専門家として活躍することができます。
試験は以下11科目から構成されています。
必須科目(2科目)
簿記論・財務諸表論。両方に合格する必要がある。
選択必須科目(1科目以上)
所得税法・法人税法のいずれか1科目以上に合格する必要がある。
選択科目(残りから選択)
相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税・事業税・固定資産税の中から、合計5科目になるよう選択して合格する。
いずれも難易度が高く合格率も低いため、合格するには学習計画と戦略的な学習が不可欠です。
試験科目の選び方
試験科目はどれを選んでも構いません。一般的には、1年かけて1科目を勉強し続ける必要があるため、継続できる科目かどうかが重要です。
そのうえで、自分のキャリアプランや興味関心に基づいて判断するといいでしょう。
例えば、個人事業主の税務相談に携わりたい場合は所得税法や消費税法の科目を選ぶという選択肢があります。また、試験科目によっても難易度が異なるため、自分のレベルや勉強時間に合わせて選択することも大切です。
税理士試験の合格に必要な勉強時間は?

科目ごとに必要な勉強時間の目安
税理士試験は科目ごとに難易度が異なるため、必要となる勉強時間も科目ごとに違いがあります。以下は、科目ごとに必要な勉強時間の目安です。
| 科目 | 標準学習時間の目安 | 区分 |
|---|---|---|
| 簿記論 | 400~500時間 | 必須(会計科目) |
| 財務諸表論 | 400~500時間 | 必須(会計科目) |
| 所得税法 | 600~700時間 | 選択必須(税法科目) |
| 法人税法 | 600~700時間 | 選択必須(税法科目) |
| 相続税法 | 400~500時間 | 選択(税法科目) |
| 消費税法 | 300時間 | 選択(税法科目) |
| 酒税法 | 150時間 | 選択(税法科目) |
| 国税徴収法 | 150時間 | 選択(税法科目) |
| 住民税 | 200時間 | 選択(税法科目) |
| 事業税 | 200時間 | 選択(税法科目) |
| 固定資産税 | 250時間 | 選択(税法科目) |
一般的に、簿記論や財務諸表論は必須科目としてそれぞれ約400〜500時間、法人税法や所得税法の選択必須科目は約600~700時間が目安です。
ただし、これはあくまでも目安であり個々の学習能力や理解度によって大きく変わることは把握しておきましょう。
税理士試験の勉強時間が多いのはなぜ?
税理士試験の合格に多くの勉強時間が必要になるのには、以下の理由が挙げられます。
勉強範囲や内容が膨大
税理士試験では会計学や税法といった幅広い分野の知識を習得する必要がある。
高度な理解力が求められる
法律や会計の知識を単に覚えるだけでなく、複雑な条文や会計処理を理解し応用できる能力が必要。
実践的な問題演習に時間がかかる
実務を想定した問題が出題されるため、単なる暗記だけでなく、実践的な問題演習を通して理解を深める必要がある。
合格率が低い
税理士試験は難易度が高く合格率も低いため、多くの受験生が合格までに長期間の学習時間を費やしている。
以下の記事では、税理士試験の合格率や合格する人の共通点について解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
税理士試験に合格するには効率的な勉強法で時間短縮

ポイント①スキマ時間を活用する
税理士試験を受ける人の中には、仕事をしながら勉強しているなど、まとまった時間を取りにくい方も少なくありません。
税理士試験の勉強では、スキマ時間をいかに有効活用できるかが合格の鍵になります。
通勤時間や待ち時間など、ちょっとした空き時間に、スマートフォンアプリや音声教材を活用して学習したり、問題集を解いたりして効率的に学習を進めましょう。
ポイント②五感を使って学習する
学習時間を短縮させるために、五感を使った学習法もおすすめです。五感を活用した学習法は、記憶に残りやすく理解を深めるのに効果的です。
例えば、テキストを読むときに声に出して音読したり、重要なポイントを書き留めたり図表を作成したり、音声をシャドーイングしたりすることで、視覚・聴覚・触覚などを刺激し記憶力を高めることができます。
税理士試験の合格に必要な長期スケジュールの立て方

税理士試験は短期間での合格が難しい試験です。そのため、長期的な視点で学習計画を立てることが重要です。
1.年間スケジュールを作成する
税理士試験の長期スケジュールを立てる際、年間スケジュールを作成しましょう。
一般的には1年間で1科目合格を目指す試験のため、まずはどの科目を受験するのか、科目合格に必要な学習期間はどの程度かを確認します。
そのうえで、科目合格に必要な時間を1年間を通してどのペースで学習を進めるのか年間スケジュールを作成します。
年間スケジュールを作成することで、学習の進捗状況を把握でき、モチベーション維持につながるのがメリットです。
2.週単位で計画を調整する
年間スケジュールを作成したら週単位で具体的な学習計画を立てます。
各科目の学習時間や問題演習の時間、復習の時間などを決めて、スケジュール表を作成します。週ごとの計画を立てることで、学習の進捗が可視化でき目標達成への意識を高めることが可能です。
また、進捗確認をして計画通りに進められていない場合は、週単位でこまめに計画を調整することも大切です。
3.家族や周囲のサポートを受ける
試験勉強を計画通りに進め、税理士試験を合格するためには、家族をはじめとする周囲のサポートも重要になります。
税理士試験の勉強は時間と労力を要するものです。家族など周囲の人たちが試験勉強に対して協力的でなければ、勉強の進捗や試験の結果に支障が出てしまう可能性があります。
そのため、税理士試験に合格するために、家族には勉強に集中できる環境作りのほか、食事や睡眠など生活面でのサポートをお願いするのも非常に大切です。
また、友人や先輩など同じ目標を持つ仲間がいれば、一緒に勉強したり交流したりすることで、モチベーションを維持し学習の効率を高めることにつながります。
他の難関資格との勉強時間の比較

税理士試験(5科目合計)に必要な勉強時間は、他の難関国家資格と比べても長めです。目安を比較してみましょう。
| 資格 | 標準学習時間の目安 |
|---|---|
| 税理士(5科目合計) | 約3,500~5,000時間 |
| 公認会計士 | 約3,000~4,000時間 |
| 中小企業診断士 | 約1,000~1,500時間 |
| 社会保険労務士 | 約800~1,000時間 |
| 日商簿記1級 | 約500~800時間 |
税理士試験は5科目合計での学習時間が非常に長い一方、1科目ずつの科目合格制のため、社会人でも数年かけて計画的に取得しやすいという特徴があります。1年に1科目ずつ、平均400~700時間を積み上げるイメージで長期計画を立てるのが現実的です。
まとめ
税理士試験の合格に必要な勉強時間は科目ごとに異なります。
たとえば、簿記論や財務諸表論といった必須科目は約400〜500時間が目安ですが、選択必須科目の所得税法や法人税法は約600〜700時間が目安です。
税理士試験の勉強は長期間にわたるため、長期的なスケジュールを立て、目標を常に意識しながら勉強の進捗を確認してモチベーション高く勉強を続けることが大切です。
以下の記事では、税理士試験講座の比較のほか試験の合格率や勉強方法など、税理士試験に関する情報をまとめていますのでぜひあわせてご覧ください。

