「高卒でも予備試験に合格できるの?」
「大学に行っていないと、やっぱり不利なのでは」
予備試験は受験資格に制限がなく、学歴を問わず挑戦できる試験です。とはいえ、実際に高卒(在学中の高校生を含む)の合格者がどれくらいいるのか、気になる方も多いでしょう。
この記事では、法務省の公表データをもとに、学歴別の合格者傾向と、高卒から予備試験を目指す際のポイントを解説します。
予備試験は学歴不問の試験
予備試験(正式名称:司法試験予備試験)には、年齢・学歴・国籍を問わないという特徴があります。大学を卒業していなくても、高校生や高卒者が受験することに制度上の制約はありません。
実際に、高校生のうちに予備試験へ合格するケースが毎年一定数報じられており、学歴が受験の壁になるわけではないことが分かります。
合格者の学歴別内訳から見える実態
令和7年の予備試験最終合格者452人の職業・学歴別内訳(出願時点)は、次のとおりです。
- 大学在学中:264人(最多)
- 大学卒業:118人
- 法科大学院修了:16人
- 法科大学院以外の大学院修了:17人
- その他(高校生・高卒・社会人等):合計37人程度
合格者の大多数は大学在学中または大学卒業者ですが、大学に在籍していない層からの合格者も一定数存在していることが読み取れます。高卒という属性だけを理由に合格が難しくなるわけではないことが、このデータからも裏付けられます。
高卒から予備試験を目指す際に意識したいポイント
①法律の基礎知識をゼロから積み上げる時間を確保する
法学部生であれば大学の授業を通じて自然と身につく基礎知識も、高卒から挑戦する場合は独自に学習時間を確保する必要があります。予備試験合格には一般に3,000〜10,000時間程度の学習が必要といわれており、早期に学習を開始するほど有利です。
②通信講座を活用して体系的に学ぶ
独学で法律を一から体系立てて学ぶのは難易度が高いため、予備校・通信講座のカリキュラムを軸に学習を進める受験生が大多数を占めます。基礎講座から順を追って学べる講座を選ぶことで、学習の遠回りを防げます。
③論文式・口述試験の「書く力」「話す力」を早めに鍛える
高校までの学習は暗記中心になりがちですが、予備試験の論文式試験では自分の言葉で法的な論証を展開する力が問われます。早い段階から答案作成の練習を積むことが、学歴に関係なく合格力を伸ばす鍵となります。
④「大学に通わない」という選択の代わりに得られるもの
大学に進学しない、あるいは進学を選ばずに予備試験に専念する場合、大学の学費・生活費相当の期間を、丸ごと予備試験の学習に充てられるという側面もあります。もちろん大学生活で得られる人脈や教養、モラトリアムの価値も大きいため、一概にどちらが良いとは言えませんが、「高卒だから遠回りになる」と決めつける必要はありません。
高卒合格者に見られる典型的な学習パターン
高校卒業後すぐに予備試験を目指す場合、多くは次のようなステップで学習を進めています。
| 段階 | 取り組み内容 |
|---|---|
| 基礎固め期 | 予備校の入門講座で法律基本7科目の全体像を学ぶ |
| 知識定着期 | 短答式過去問を繰り返し、知識の抜けをなくす |
| 答案作成期 | 論文式の「型」を身につけるため、添削指導を受けながら答案を書く練習を積む |
| 直前期 | 模試を活用し、本番の時間配分・出題形式に慣れる |
この流れ自体は、大学生や社会人が予備試験に挑む場合と大きくは変わりません。学歴による特別なハンデがあるとすれば、法律用語や条文への「慣れ」がやや薄い分、初期のインプットに時間がかかりやすい点くらいです。この差は、学習期間を数か月〜半年ほど長めに見積もることで十分に吸収できます。
高卒から目指す場合の予備校・通信講座選びのポイント
大学に在籍していない場合、法学部の友人や教員に気軽に質問できる環境がない分、質問対応やコミュニティ機能が充実した講座を選ぶことが学習継続の助けになります。
- 質問制度(回数・回答スピード)が充実しているか
- 受講生同士が交流できるオンラインコミュニティがあるか
- 年齢・学歴を問わず受講している人が実際にいるか(体験談・口コミで確認)
また、高校卒業後すぐに学習を始める場合、経済的な負担を抑えたいという事情も出てきます。奨学金制度や分割払いに対応している講座も多いため、費用面のハードルだけで選択肢を狭めすぎないことも大切です。
大学に進学しながら予備試験も目指すという選択肢
「大学に行くか、予備試験に専念するか」は二者択一ではありません。大学に進学しつつ、在学中に予備試験合格を目指すのが、実際には合格者のボリュームゾーンです。大学生活で得られる人脈や教養、モラトリアムの時間を確保しながら、並行して学習を進められないかを一度検討してみる価値はあります。
よくある質問
Q. 高卒であることを予備校の申込書等で聞かれますか?
多くの予備校では、受講申込時に最終学歴を確認する項目がありますが、これは受講プランの案内やカリキュラム提案の参考情報であり、学歴によって受講を断られることはありません。
Q. 高卒から予備試験に合格した後、大学進学は必要ですか?
不要です。予備試験に合格すれば、大学・法科大学院を経由せずに司法試験の受験資格を得られます。学歴要件は予備試験route自体には一切関係しません。
Q. 高卒から目指す場合、何歳までに合格すべきという目安はありますか?
明確な年齢制限はありません。ただし、令和7年のデータでは20〜24歳の合格者が最も多くなっているため、できるだけ早期に学習を開始し、集中して取り組める環境を整えることが、合格の可能性を高める一つの目安になります。
高卒から始めるときに最初に補いたい基礎
高卒からの受験でつまずきやすいのは、学歴そのものではなく、法律の文章や判例の読み方に慣れるまでの期間です。最初の数か月は、いきなり難しい答案を書くよりも、用語と条文の意味を自分の言葉で説明する練習を優先すると、後の論文対策が安定します。
| 基礎項目 | 取り組み方 | 到達の目安 |
|---|---|---|
| 法律用語 | 基本書の用語を一行で言い換え、翌日に見ずに説明する | 主要な用語を短い言葉で説明できる |
| 条文 | 条文の要件・効果を分け、具体例とセットで確認する | 条文番号を見て趣旨と要件を思い出せる |
| 判例 | 事案・争点・結論・理由の4項目でメモする | 似た判例との違いを説明できる |
| 文章力 | 一問一答の理由を100字程度で書き、主語と結論を確認する | 短く論理的に説明できる |
高校での国語や社会の成績だけで合否が決まるわけではありません。分からない言葉を放置せず、毎日少しずつ調べて翌日に再確認する習慣が、学習の土台になります。
学歴別データを読むときの注意点
公表資料の「大学在学中」「大学卒業」「その他」といった区分は、受験生の能力を直接示すものではありません。出願時点の属性を集計した数字なので、高卒合格者の人数だけを見て可能性を判断するのではなく、どの学習環境・勉強時間・答案練習を用意できるかで計画を考えましょう。
- 年度によって合格者数や区分の表記が変わる場合がある。
- 公表されるのは集計値であり、独学・通信・通学の内訳まで分かるとは限らない。
- 合格者の属性は結果であって、特定の年齢や学歴を推奨するものではない。
最新の受験資格、試験日程、出願手続は、必ず法務省の司法試験・予備試験公式情報を確認してください。
高卒受験生が講座を選ぶときの比較表
法学部の授業やゼミを利用できない場合は、講座のサポートが学習のペースメーカーになります。無料体験や資料で、次の項目を比較しましょう。
| 比較項目 | 確認する質問 |
|---|---|
| 講義 | 法律用語の説明から始まり、初学者向けの導入があるか |
| 答案添削 | 論文答案を何回提出でき、返却後に質問できるか |
| 質問対応 | 質問の受付方法、回答までの目安、追加料金の有無 |
| 学習計画 | 短答・論文・口述の順番と、遅れた場合の調整方法 |
| 費用 | 受講料・模試・答練・教材送料・分割手数料を含めた総額 |
まとめ
予備試験は学歴不問の試験であり、高卒であることが直接的な不利にはなりません。合格者の多くは大学在学中・卒業者ですが、それ以外の学歴からの合格者も一定数存在します。
重要なのは学歴そのものより、体系的な学習計画を早期に立て、継続できるかどうかです。自分に合った教材・講座を選び、計画的に学習を積み重ねていきましょう。

