「予備試験は大学生のうちに合格できるって聞くけど、何年生から始めればいいの?」
大学入学後、法曹を目指すと決めたタイミングで多くの人が抱く疑問です。
この記事では、学年別の始めどきの考え方と、在学中合格を目指すためのスケジュール設計について解説します。
結論:早いほど有利だが、大学1〜2年からが目安
予備試験合格に必要な学習量には大きな個人差があり、法律の学習経験・可処分時間・答案練習の量によって変わります。大学の授業やサークル活動と両立しながら学習することを考えると、大学1年生・2年生のうちに学習をスタートするのが現実的な目安です。
令和7年の予備試験最終合格者452人のうち、大学在学中の合格者は264人と全体の過半数を占めています。在学中合格を狙うのであれば、できるだけ早いスタートが有利に働くことは間違いありません。
学年別に見る始めどきの考え方
大学1年生から始める場合
法律の基礎から腰を据えて学べるため、最も余裕を持ったスケジュールを組めます。大学の学部の授業(特に法学部生であれば必修科目)と並行して基礎講座を受講し、2〜3年次に短答・論文対策を本格化させる流れが一般的です。
大学2〜3年生から始める場合
最も多くの受験生がこのタイミングでスタートしています。基礎知識の習得と並行して、早い段階から短答式の過去問演習を組み込むなど、インプットとアウトプットを同時並行で進めるスケジュール管理が求められます。
大学4年生・卒業後から始める場合
在学中合格は難しくなりますが、不可能ではありません。ただし、就職活動や卒業論文との両立が課題になりやすいため、学習時間を確保するための生活設計を早めに見直すことが重要です。
法学部生・非法学部生で始めどきは変わるか
法学部生は大学の授業で基礎科目に触れる機会が多いため、独学の負担がやや軽くなる傾向があります。一方、非法学部生であっても、予備校の入門講座から順を追って学習すれば十分に対応可能です。実際、令和7年の合格者のうち大学在学中264人の中には、法学部以外の学生も一定数含まれています。
学部の違いよりも、「いつから」「どれだけの密度で」学習を継続できるかのほうが、合否を左右する要因として大きいといえるでしょう。
在学中合格を目指す場合のスケジュール例
| 時期 | 取り組む内容 |
|---|---|
| 大学1年 | 基礎講座受講、法律科目の全体像をつかむ |
| 大学2年 | 短答式過去問演習開始、論文の型を学ぶ |
| 大学3年 | 短答式試験受験、論文式試験対策を本格化 |
| 大学4年 | 論文式・口述試験、司法試験受験資格を得る |
在学中受験資格制度により、法科大学院在学中に司法試験を受験できるルートも用意されていますが、予備試験ルートで在学中合格を果たせば、法科大学院に進学せずに司法試験の受験資格を得られるという選択肢も生まれます。
始める時期に迷ったら「まず基礎講座から」
「何年生から始めるべきか」で悩んで学習開始が遅れてしまうのは本末転倒です。迷っている時間があるなら、まずは基礎講座を受講しながら方向性を固めていくほうが、結果的に早い合格につながります。
サークル・アルバイトとの両立は可能か
「予備試験に専念するために大学生活を犠牲にすべきか」という悩みもよく聞かれます。結論としては、完全に両立している合格者も、大学生活を絞り込んで学習に専念した合格者も、どちらも一定数存在します。
重要なのは、サークルやアルバイトを続けるかどうかではなく、週単位で確保できる学習時間を具体的に見積もり、その時間内で優先順位をつけて学習を進められるかです。大学生活を全て手放す必要はありませんが、学習時間との兼ね合いで、どこかで取捨選択が必要になる場面は出てくるでしょう。
学年ごとの目標設定の例
| 学年 | 目標の目安 |
|---|---|
| 1年生終了時 | 法律基本7科目の入門講座を一通り修了 |
| 2年生終了時 | 短答式試験の過去問で合格点相当を安定して取れる |
| 3年生終了時 | 短答式試験に合格し、論文式試験対策を本格化 |
| 4年生 | 論文式・口述試験に合格し、在学中に司法試験の受験資格を取得 |
在学中合格を目指す上で気をつけたい大学生活との両立
在学中合格を狙う場合でも、卒業に必要な単位の取得計画は並行して管理しておく必要があります。予備試験の学習に時間を割きすぎて留年してしまっては本末転倒です。学部の必修科目やゼミの負担が大きい学期をあらかじめ把握し、その時期は予備試験の学習量を調整するなど、年間を通じたバランス管理が求められます。
留学を検討している場合のスケジュール調整
大学在学中に留学を予定している場合、留学期間中は予備試験対策の時間確保が難しくなるのが一般的です。留学の時期を、短答式試験直後など学習の節目に合わせて設定することで、留学と受験計画の両立がしやすくなります。留学を諦める必要はなく、事前のスケジュール調整で十分に両立可能です。
よくある質問
Q. 大学入学前(高校生のうち)から始めても意味はありますか?
意味はあります。高校生のうちから基礎講座に取り組み、大学入学と同時に本格的な学習をスタートできれば、それだけ有利になります。ただし、高校の学業や受験勉強との両立にも配慮が必要です。
Q. 部活動やインターンとの両立で始める時期を遅らせるべきですか?
両立が難しいと感じる場合でも、学習を完全に先延ばしにするのではなく、まずは基礎講座の視聴など負担の軽いところから始めておくと、後々のスタートダッシュがしやすくなります。
Q. 大学院進学と予備試験、同時に検討してもよいですか?
問題ありません。予備試験の学習を進めながら法科大学院進学も選択肢に残しておき、状況に応じて最終的なルートを決める受験生も多くいます。
開始時期を決めるためのセルフチェック
大学1年生から始めるのが理想でも、全員が同じペースで進める必要はありません。授業や将来の進路を確認し、次のように「開始時期」と「最初の目標」をセットで決めると、無理のない計画になります。
| 現在の状況 | 最初の3か月で行うこと | 次の判断 |
|---|---|---|
| 法律を初めて学ぶ | 入門講義と条文の読み方、短答の基本問題 | 講義の理解度と週の学習時間を確認 |
| 法学部の授業が始まった | 授業内容を予備試験の過去問で確認 | 学内試験の繁忙期に調整できるか確認 |
| 短答演習を始めている | 正答率・誤答原因を科目別に記録 | 論文演習を追加する時期を決める |
| 就活・留学が近い | 移動中の復習と週末の答案構成を固定 | 予定後に学習量を戻す日を先に決める |
大学生の週間スケジュール例
授業やアルバイトがある前提では、毎日同じ時間を確保するより、平日は短時間の復習、休日は答案作成という役割分担が続けやすくなります。
| 時間帯 | 学習内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 通学・昼休み | 講義の復習、条文・一問一答 | スマートフォンで毎日触れる |
| 平日夜 | 短答過去問、判例カードの確認 | 誤答理由を一行で残す |
| 土曜日 | 論文答案または答案構成 | 時間を測って書き切る |
| 日曜日 | 一週間の復習と翌週の計画 | 大学行事を先にカレンダーへ入れる |
大学の試験期間や就活期は学習量が落ちることを前提にし、前後の週で少しずつ調整します。計画を守れない日があっても、翌日に再開できる最小単位を残すことが大切です。
在学中合格を目指す講座の選び方
大学生は授業・ゼミ・就活など予定が変わりやすいため、受講の柔軟性を優先します。講座を比較する際は、講義の視聴期限、スマートフォン対応、論文添削の提出方法、質問への回答時間、模試の実施時期を確認してください。
受験資格・試験日程・制度変更は年度ごとに更新される可能性があります。出願前は法務省の司法試験・予備試験公式情報を確認しましょう。
まとめ
予備試験の在学中合格を目指すなら、大学1〜2年生のうちに学習を始めるのが理想的です。ただし、開始時期が多少遅くなったとしても、学習密度と継続性次第で十分に合格は狙えます。
「今日から始める」ことこそが、最も確実な一歩であることを忘れないようにしましょう。

