行政書士試験で160点台だった場合、「あと少しだった」という手応えと同時に、「来年何を対策すればよいか分からない」という悩みを抱える方が多いです。この記事では、行政書士試験の合格基準を踏まえて、160点台という結果から弱点を整理する考え方と、講座選びの視点を紹介します。
まず確認したい行政書士試験の合格基準
行政書士試験(行政書士試験研究センター発表)の合格基準は、次の3つをすべて満たすことです。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| ①法令等科目の基準点 | 244点中122点以上(満点の50%以上) |
| ②基礎知識科目の基準点 | 56点中24点以上(満点の40%以上) |
| ③総得点の合格基準 | 300点中180点以上(満点の60%以上) |
総得点が160点台の場合、単に「あと20点足りなかった」というだけでなく、①か②のいずれかの基準点をそもそも下回っていた可能性があります。まずは総得点だけでなく、科目別の得点(開示請求で確認できる場合があります)を振り返ることをおすすめします。
160点台になる主なパターン(架空のモデルケース)
以下は、得点内訳から弱点を考える際のモデルケースです。実在の受験生のデータではなく、合格基準をもとにした架空の例として示しています。
| モデルケース | 得点内訳の例 | 考えられる弱点 |
|---|---|---|
| ケースA:基礎知識で基準点割れ | 法令等140点/基礎知識20点=総得点160点 | 法令科目は合格ラインに近いが、基礎知識(旧・一般知識)対策が不足 |
| ケースB:主要法令科目で失点 | 法令等115点/基礎知識50点=総得点165点 | 基礎知識は得点できているが、行政法・民法など配点の大きい科目で失点 |
| ケースC:記述式で得点できず | 択一式中心で140点+記述式25点=総得点165点 | 択一式の知識はあるが、記述式で得点を伸ばせていない |
同じ「160点台」でも、どの得点区分で失点しているかによって翌年の対策はまったく異なります。まずは自分がどのケースに近いかを振り返ることが、講座選びの第一歩になります。
弱点別の講座選びの考え方
- 基礎知識(旧・一般知識)で基準点割れした場合:基礎知識対策が手薄になりがちなため、基礎知識・文章理解に力を入れているコースや、単科の基礎知識対策講座を検討する
- 行政法・民法など配点の大きい法令科目で失点した場合:その科目を重点的に復習できる中上級講座や、演習量を増やせる講座を検討する
- 記述式で得点が伸びない場合:記述式の演習・添削を強化できる講座を検討する(詳しくは記述式の添削に関する記事もあわせてご覧ください)
- 総合的に知識の精度が足りない場合:独学の継続よりも、中上級者向けのフルカリキュラムで知識を体系的に立て直すことを検討する
再受験者向け講座の例
2026年9月に公式サイトを確認したところ、伊藤塾は学習経験者・再受験者向けに「行政書士中上級講座」(中級コース・上級コース)を提供しています。過去には上級コースの一般受講料が248,000円(2025年合格目標時点)と案内されていました。年度によって価格・カリキュラム内容が変更されるため、2027年向けの最新の価格・内容は必ず公式サイトでご確認ください。
LEC・TACなど他校でも、学習経験者・再受験者向けのコースが用意されています。総得点だけで中上級講座を選ぶのではなく、自分の弱点(法令科目か、基礎知識か、記述式か)に合わせてカリキュラムの内容を比較することをおすすめします。
独学継続でよいケース、講座に頼るべきケース
| 状態 | おすすめの進め方 |
|---|---|
| 基準点はすべてクリアしていたが、総合で数点足りなかった | 独学の継続+演習量の追加でも十分な場合がある |
| 特定の基準点(法令等または基礎知識)を明確に下回っていた | その分野に強い講座・単科での補強を検討する |
| 複数年にわたって同じ分野で失点している | 独学の学習方法自体を見直し、中上級講座への切り替えを検討する |
よくある質問
Q. 自分の科目別得点はどこで確認できますか?
行政書士試験研究センターへの得点開示請求により、自分の得点を確認できる制度があります。手続き方法や期限は年度によって案内が異なるため、行政書士試験研究センターの公式情報をご確認ください。
Q. 160点台なら、あと少しなので独学で十分ですか?
総得点が近くても、基準点のどこで失点していたかによって必要な対策は異なります。基礎知識や特定の法令科目で基準点を下回っていた場合は、その分野を重点的に補強できる講座を検討した方が、同じ失敗を繰り返しにくくなります。
Q. 150点・160点・170点で対策は変わりますか?
総得点の近さよりも、どの基準点(法令等・基礎知識・総合)で不合格になったかの方が対策への影響が大きいです。得点帯だけで判断せず、内訳を確認したうえで弱点に合わせた講座・学習方法を選ぶことをおすすめします。
得点開示後に作る再受験の分析シート
160点台は合格点までの距離が近く見えますが、伸ばすべき場所を間違えると翌年も同じ点数帯になりやすいです。得点開示や自己採点の資料を使い、次の項目を一枚にまとめます。
| 確認項目 | 記録する内容 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 法令等 | 行政法・民法・商法など科目別の正答率 | 配点と弱点を見て優先順位を決める |
| 基礎知識 | 文章理解、情報通信・個人情報、一般知識分野の失点 | 基準点対策と毎週の確認問題を設定 |
| 記述式 | 論点、要件、結論、文字数、時間配分 | 添削または答案演習を週単位で追加 |
| 学習管理 | 前年に消化できなかった講義・過去問 | 教材を絞り、月ごとの到達点を作る |
再受験開始から本試験までのモデル計画
再受験では、前年の教材を最初から全部やり直すのではなく、弱点の確認と演習を先に行います。以下は一例で、試験日程や仕事の繁忙期に合わせて調整してください。
| 時期 | 学習内容 | 到達目標 |
|---|---|---|
| 開始〜1か月 | 得点分析、基礎知識の確認、前年の誤答整理 | 弱点科目と優先順位が決まる |
| 2〜4か月目 | 行政法・民法などの重点講義と過去問 | 基準点を安定して上回る |
| 5〜7か月目 | 記述式の答案演習、基礎知識の反復 | 時間内に答案を完成できる |
| 直前期 | 模試・本試験形式の演習と総復習 | 失点パターンを本番で繰り返さない |
中上級講座を選ぶときの比較ポイント
- 前年の受験経験者向けに、基礎講義と演習の範囲が分かれているか。
- 法令等・基礎知識・記述式のどこを重点的に補えるか。
- 答案添削の回数、返却期間、質問・カウンセリングの有無。
- 講義の視聴期限、スマートフォン対応、模試・答練の実施時期。
- 通常価格、割引、教育訓練給付、追加教材を含めた総額。
合格基準や得点開示の手続、試験日程は年度により更新されます。最新情報は行政書士試験研究センター公式サイトで確認してください。
まとめ
行政書士試験で160点台だった場合、総得点だけでなく「法令等科目122点以上」「基礎知識科目24点以上」という基準点のどちらかで失点していないかをまず確認することが重要です。弱点が明確になれば、独学の継続で十分なのか、中上級講座で知識を立て直すべきなのかを判断しやすくなります。
行政書士の予備校・通信講座全体を比較したい方は、行政書士の予備校・通信講座比較記事もあわせてご覧ください。

