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簿財の受験資格は令和5年からなくなった!簿財単科合格のメリット・デメリット

税理士試験は令和5年度(第73回)試験から受験資格の一部が改正され、「簿記論・財務諸表論(会計科目)は誰でも受験できる」ようになりました。ただし、これは「簿財に合格しないと他の科目が受験できなかった制度が廃止された」という意味ではなく、会計科目そのものの受験資格(学識・資格・職歴などの条件)が撤廃された、というのが正確な内容です。この記事では、改正の正しい内容と、簿財だけを先に合格する「簿財単科合格」のメリット・デメリット、今後の学習戦略までわかりやすく整理します。

目次

令和5年度改正の正しい内容

令和5年度改正の正しい内容

税理士試験は科目合格制で、簿記論・財務諸表論(会計科目)2科目と、所得税法・法人税法など9科目の税法科目から2科目以上を選び、合計5科目に合格することで税理士試験合格となります。会計科目と税法科目には、もともと別々の受験資格ルールがありました。

区分令和4年度以前令和5年度以降
会計科目(簿記論・財務諸表論)大学卒業・日商簿記1級合格・実務経験など一定の受験資格が必要受験資格の制限なし。誰でも受験可能
税法科目(所得税法・法人税法など9科目)大学卒業(法律学・経済学の単位取得)、日商簿記1級・全経上級合格、実務経験2年以上 等のいずれかが必要変更なし(引き続き受験資格が必要)
令和5年度税理士試験 受験資格改正の内容

つまり、改正前から簿財の合格が税法科目の受験条件になっていたわけではありません。税法科目の受験資格は、簿財の合格状況とは無関係に、学歴や資格・実務経験で判定されていました。改正によって変わったのは「会計科目を受けるためのハードル」であり、これにより高校生や実務未経験の社会人・学生でも、まず簿記論・財務諸表論からチャレンジできるようになった点が最大のポイントです。

なぜ会計科目だけ受験資格が撤廃されたのか

なぜ会計科目だけ受験資格が撤廃されたのか

背景には、税理士業界の人手不足と受験者数の長期的な減少があります。税理士試験の受験者数はピーク時の半分以下まで落ち込んでおり、若年層や他資格からの参入を増やすことが業界全体の課題でした。会計の基礎科目である簿記論・財務諸表論は、学歴や資格を問わず学習を始めやすい科目であることから、まずここの間口を広げることで、税理士を目指す人の裾野を広げる狙いがあると考えられています。

「簿財単科合格」のメリット・デメリット

「簿財単科合格」のメリット・デメリット

受験資格が不要になったことで、「税理士を目指すかは未定だが、まず簿記論・財務諸表論だけ受けてみたい」という受け方も現実的になりました。メリット・デメリットを整理します。

メリットデメリット
受験資格を問われず誰でも挑戦できる簿財に合格しても、それだけでは税理士試験合格にはならない
会計知識・財務分析力が身につき、経理・会計事務の実務や就職活動でアピールできる税理士を目指すなら税法科目の受験資格を別途満たす必要がある
日商簿記との親和性が高く、学習の土台として早期に着手しやすい税法科目は簿財と出題傾向が異なり、改めて対策が必要
科目合格は一生有効なので、時間をかけて計画的に取得できる簿財のみでは税理士事務所の即戦力採用では評価が限定的な場合がある

特に注意したいのは、簿財に合格しても税理士になれるわけではないという点です。税理士登録には5科目合格(または大学院での科目免除等との組み合わせ)が必要で、税法科目の受験には引き続き受験資格が必要です。簿財単科合格はあくまで「会計知識の証明」「学習のスタート地点」として位置づけるのが実態に合っています。

改正後の学習戦略

改正後の学習戦略

税理士を目指すことが決まっている場合

税法科目の受験資格(学歴・資格・実務経験のいずれか)をすでに満たしているなら、簿財と税法科目を並行して学習計画に組み込むのが効率的です。簿記論・財務諸表論の学習内容は法人税法・消費税法など税法科目の計算問題の土台にもなるため、先に会計科目から着手する受験生が多い傾向にあります。

税理士を目指すか迷っている場合

まずは受験資格を問われない簿記論・財務諸表論に挑戦し、適性や興味を確かめてから税法科目への進学を判断する、という進め方も選択肢になります。ただし合格までの標準学習時間は簿記論で450時間前後、財務諸表論で450時間前後が目安とされ、決して軽い負担ではないため、独学か予備校・通信講座を利用するか早めに検討しておくとよいでしょう。

科目ごとの勉強時間の目安や攻略法は、以下の個別ガイドでも詳しく解説しています。

まとめ

令和5年度の改正で変わったのは「簿記論・財務諸表論の受験資格が撤廃された」ことであり、簿財の合格が他科目の受験条件だった制度がなくなったわけではありません。税法科目の受験資格は従来どおり必要な点に注意しつつ、会計科目から学習をスタートできるようになったこの機会を活かして、自分に合ったペースで税理士試験対策を進めましょう。

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